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A-LAB Exhibition Vol.46
第2回白髪一雄現代美術賞受賞者 個展
 
井上裕加里
JIN, JIYAN, AZADÎ 女性、命、自由
 
 
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第2回白髪一雄現代美術賞を受賞した井上裕加里による展覧会「JIN, JIYAN, AZADÎ 女性、命、自由」を開催します。井上は国内外でリサーチを行い、「世界の女性の地位の問題」などをテーマに制作を続けています。作家自身が抱いた疑問を、様々な境遇の人との対話を通して考察し可視化することで、複雑で矛盾に満ちた社会問題を鑑賞者とともに考える姿勢を貫きます。今回の個展では、イランでの滞在経験をもとにした近作・新作を中心に展示し、「女性、命、自由」を取り巻く状況や視点を提示します。
 
  会期=2025年2月1日(土) - 3月30日(日)
開館時間=午前10時 - 午後6時
 休館日=火曜日 ※2月11日(火/祝)は開館、2月12日(水)は休館。
 入場料=無料
  主催=尼崎市
 
【出展作家】
井上裕加里
 
【関連イベント】
 
①トークイベント
 
北原恵氏(大阪大学名誉教授、ジェンダー研究)をゲストに迎え、出展作家と「アートと女性」について話をします。 
2月23日(日) 午後2時-3時。定員20名、要申込。
 
・申込方法
イベント名、氏名、電話番号、人数を明記の上、amalove.a.lab@gmail.comまでお送り下さい。
 
②作品解説会
 
出展作家による解説を聞きながら作品を鑑賞します。
3月1日(土) 午後2時-3時。申込不要。

 


 

<問い合わせ先>
 
A-LAB TEL / FAX:06-7163-7108
 (午前10時 - 午後6時、火曜日休館)
 
 


 
 私は、近年の日本における婚姻制度や女性の地位に関する問題に関心を持っています。日本はジェンダーギャップ指数において他のアジア諸国の中でも低い位置にあります。しかし、この指標自体が欧米中心の価値観に基づいており、東洋における男女平等の実感とは異なる部分があるのではないかという疑問を抱きました。そこで私は2022年、ジェンダーギャップ指数が下位に位置するイランを訪れました。
 イランで女性たちと交流する中で、彼女たちは強い結束力と豊かなネットワークを持ち、抑圧的に見られがちなヒジャブも、実際に纏ってみることで、女性としてではなく個人として尊重されるという異なる意味があることを理解し、中東地域に対する誤解があったことに気付かされました。
 一方で、2022年にはヒジャブの不適切な着用を理由に道徳警察に逮捕された女性が死亡する事件が発生し、女性の人権が依然として軽視されている現実もあります。この展覧会では、2022年のデモで掲げられたスローガン「JIN, JIYAN, AZADÎ 女性、命、自由」をテーマに、この複雑な問題に向き合いたいと考えています。

 

井上裕加里(出展作家)

 


 

<白髪一雄現代美術賞について>

尼崎市では、既成概念にとらわれない前衛作品を発信し世界的に評価された本市ゆかりの現代美術画家・白髪一雄氏にちなみ、若手アーティストによる先駆的で魅力のある現代美術作品を顕彰し、若手アーティストのこれからの活躍を応援しています。

第3回白髪一雄現代美術賞の応募締切日は2025年3月21日です。詳細は尼崎市文化振興財団(TEL:06-6487-0806 / FAX:06-6482-3503)までお問い合わせください。

 

【出展作家プロフィール】*作品画像は参考画像です。

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photo by Wataru SHINO

 
井上 裕加里 INOUE Yukari
 
広島県生まれ
2012 年 倉敷市立短期大学 服飾美術学科 卒業
2014 年 成安造形大学 芸術学部芸術学科美術領域現代アートコース 卒業
 
東アジアの近代化に潜在する歴史認識や文化観の差異、そしてそれらの関係性や地域性をテーマに作品を制作している。他者・他国を排除する動きが世界で顕著化している今日、「他者」とは何か、「私たち」と「私たち以外」の境界とは何かを、作品を通じて考察している。
 
【主な個展】
2017年「堆積する空気」、Gallery PARC、京都
2019年「線が引かれたあと」、KUNST ARZT、京都
2022年「Women atone for their sins with death.」、KUNST ARZT、京都
 
【主なグループ展】
2013年「ここはどこか、あるいは何か」、越山計画、札幌
2014年 日韓交流展「add me! CARRY MORE 」、韓国電力アートセンターギャラリー、ソウル,韓国
2017年 京都府アーティスト・イン・レジデンス事業「京都: Re-Search」大京都in 舞鶴, 聚幸菴、京都
2019年「Parallax Trading」、das weisse haus、Vienna,Austria
2019年「Kyoto Art for Tomorrow2019- 京都府新鋭選抜展-」、京都文化博物館、京都
2020年「Kyoto Art for Tomorrow2020- 京都府新鋭選抜展-」、京都文化博物館、京都
2021年「Soft Territory かかわりのあわい」、滋賀県立美術館、滋賀
2022年「第1 回 MIMOCA EYE/ ミモカアイ」、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、香川
2023年「産まみ( む) めも」、oz studio 渋谷東、東京
 
【受賞】
2019年「Kyoto Art for Tomorrow2019- 京都府新鋭選抜展-」ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川国際交流賞
2020年「Kyoto Art for Tomorrow2020- 京都府新鋭選抜展-」ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川国際交流賞
2021年「平和堂財団芸術奨励賞」美術部門
2022年「第1回MIMOCA EYE / ミモカアイ」選考委員個人賞 植松由佳賞
2023年「第2回白髪一雄現代美術賞」
2024年「サゴリリサーチアワード」特別賞 加納実紀代応援賞
 
【収蔵】
2023 年「こうさするこうえん」滋賀県立美術館
 

 

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女性は罪を贖うために死ぬ | 2022

 


 

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女性は罪を贖うために死ぬ | 2022

 


 

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 Shadow workes | 2022 | 撮影:木奥恵三


 

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Shadow workes | 2022 | 撮影:木奥恵三


 

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Shadow workes | 2022 | 撮影:木奥恵三